特別展「はにわ」の会場にずらりと並ぶ盾持人埴輪

連載「はにわのフシギ」

 埴輪(はにわ)は何のために作られ、いったい何を表しているのだろう。

 その原型は、弥生時代の吉備地方(現在の岡山県と広島県東部)で2~3世紀に生まれた。特殊器台と呼ばれる筒状の台に、特殊な壺(つぼ)を載せたものがあり、ここから特殊器台形埴輪という最も古いタイプの土管のような埴輪が生まれた。これらを墳丘に立て並べることで、墓という聖域を守るという役割を担っていた。

 京都国立博物館の古谷毅研究員によれば、その次に出てくるのは、各地で6世紀まで作られた円筒埴輪。その次にようやく器財埴輪の一種である家形埴輪が登場する。東京国立博物館で開催中の特別展「はにわ」(朝日新聞社など主催)には、群馬県の赤堀茶臼山古墳や大阪府の今城塚古墳の出土品が展示されているが、倉庫や住居、祭殿など複数の種類の建物を組み合わせることで「豪族の館の様子を表現していたと考えられる」。

群馬県赤堀茶臼山古墳の家形埴輪。出土当時の状況を再現している=東京国立博物館蔵

 墳頂部に立てられた器財埴輪…

共有
Exit mobile version