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川崎市が多摩川スカイブリッジ近くで採集したシラウオ=川崎市提供

 かつて「江戸前」を代表する人気の魚だったシラウオが半世紀以上の時を経て、多摩川河口で復活しつつある。川崎市とともに調査をした「東京湾再生官民連携フォーラム」プロジェクトチームが成魚や卵を採集したと発表した。ただ、由来は不明で、引き続き調べるという。

 シラウオは淡水と海水が混じり合う汽水域に生息する体長10センチ弱の半透明の小魚。隅田川(佃島)の名物で、徳川家康が好んだとされる。多摩川でも昭和の中ごろまで漁が行われていたが、埋め立てや水質悪化で減少し、東京都のレッドデータブックは「1970年ごろ絶滅した」としている。

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シラウオの生息が確認された多摩川スカイブリッジ一帯の河口部=「五洋・日立造船・不動テトラ・横河・本間・高田共同企業体」提供

 川崎市は2017年から、臨海部と羽田空港を結ぶ多摩川スカイブリッジの建設に合わせ、一帯の環境モニタリング調査を実施。21年冬に5匹、22年冬に1匹、秋に77匹、23年冬に1匹のシラウオを採集した。

 ただ、この時点での公表は早いと判断した。スカイブリッジ建設に関する環境アドバイザー会議のメンバーでもあるプロジェクトチームの研究者らが追加調査し、同じ場所で22年に223個、23年に98個の卵を確認したことから、科学的検討も踏まえて今月11日に発表した。

自然由来か放流か

 国土交通省や東京都も21年…

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