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「面会謝絶」の表示板が残る元医院2階の通路=三重県名張市新町
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 三重県名張市生まれの推理小説作家、江戸川乱歩(1894~1965)の作品世界を体感できるミュージアムをつくりたい。そんな夢の実現に向け、同市の男性が走り始めた。乱歩の生家跡に立つ元医院(同市新町)を購入。クラウドファンディング(CF)で支援を募り、整備に着手する。

 乱歩は官吏だった父のもと、市内の借家で生まれた。父の転勤に伴い、生後半年余りで名張から亀山、さらに名古屋へ。長らく名張とは縁がなかったが、作家として名を成し、57歳の時、衆院選の応援弁士をするため名張を訪れると地元の大歓迎を受け、「ふるさと発見記」と題した文章を記した。

 乱歩が名張を訪れた時、借家はすでになく、跡地に立つ医院を訪問。その際、乱歩の出産に立ち会った大家の妻、よしへさんの娘、せきさん(1956年死去)が乱歩に出生時の思い出を語ったという。せきさんは「御母さんの乳ぶさにすがる姿、目に浮かぶ」と乱歩に触れた手記も残した。

 CFを始めた男性は、せきさんのひ孫にあたり、名張市で紅茶専門店を経営する辻孝信さん(65)。乱歩のファンというわけではなかったが、2022年、蔵でせきさんの手記を見つけ、せきさんや乱歩の存在が「ぐーんと近づいてきた」と感じた。16年に廃院していた元医院が売却される話を耳にし、今年2月、700平方メートルの敷地に立つ1961年築の元医院と、大正~昭和初めの居宅の2階建て計3棟を購入。当初カフェにしようと考えたが、乱歩ファンのアイデアもあって、作品の世界観を体感できる「ミュージアム」を構想した。

元医院はレトロ感たっぷり 作品と重ねて

 元医院の屋内は昭和レトロ感…

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