事件のあった「サンシャインシティ」付近に停車したパトカー=2025年7月1日午後0時47分、東京都豊島区、西岡臣撮影

 1日午前11時50分ごろ、東京都豊島区東池袋3丁目の商業施設「サンシャインシティ」にある「アディーレ法律事務所」で、「刃物で刺された」と東京消防庁から警視庁に通報があった。同庁によると、同事務所従業員の男性(36)がナイフで首を複数回刺されて病院に搬送され、その後、死亡が確認された。

 巣鴨署は、ナイフを持った状態で池袋駅東口交番に出頭した同事務所従業員の渡辺玲人容疑者(50)=同新宿区新宿2丁目=を殺人未遂容疑で緊急逮捕した。男性とは同僚で「以前から恨みがあり、我慢の限界だった。殺そうと思ったわけではないが、結果的に死んでもかまわないと思って刺した」と話しているという。

 署によると、渡辺容疑者は「ナイフは自宅から持参した」と説明しているという。署が事件の経緯を調べている。

 アディーレ法律事務所は「亡くなられた従業員のご冥福を心よりお祈り申し上げる。今回の事態を重く受け止め、警察の捜査に誠心誠意協力する」とコメントを出した。

現場は31階、オフィスフロアに衝撃「身近でこんな事件が」

 東京都豊島区の商業施設「サンシャインシティ」内の法律事務所で1日昼前、従業員の30代男性が刃物のようなもので刺され、死亡した。多くの会社員が利用するオフィスフロアで起きた事件とあって、動揺が広がった。

 現場となった高層ビル「サンシャイン60」は中高層階部分がオフィスフロアになっている。法律事務所が入る31階部分には、エレベーターホールから廊下につながる入り口にブルーシートが張られ、立ち入りが制限されていた。

 高層階の会社で働く男性は、「同じサンシャインシティ内で切りつけがあったと知って驚いた」と言う。事件の背景がわからず、営業などで外出している社員もいるため、全社員に注意喚起と安否確認のメールを送ったという。その後、ニュースの続報で容疑者が逮捕されたと知り「ひとまず安心した」と述べた。

 別の階で働く40代女性によると、事件に関する館内放送などは流れず、周囲では大きな騒ぎにはならなかったという。現場には誰でも出入りができるといい、「身近でこんな事件が起きるとは」。オフィスフロアをふだん利用しているという50代男性も「悲鳴や異変などは特になかった。このビルは密閉空間だから、容疑者が確保されずに逃げていたら、と思うと怖い」と話した。

 サンシャインシティ近くのレストランで昼食を取っていた40代女性によると、当初は数台のパトカーがサイレンを鳴らしながら駆けつけたが、時間がたつにつれて、どんどんその数が増えていった。「こんな昼間に近くで刺殺された人がいたと聞いて鳥肌が止まらない」

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