Smiley face
写真・図版
あべの翔学―早大学院 十回裏早大学院無死一、二塁、孫の右前安打で二塁走者の前田が本塁を突くもタッチアウト。捕手稲住=頼光和弘撮影
  • 写真・図版

 第70回全国高校軟式野球選手権大会(日本高校野球連盟主催、朝日新聞社、毎日新聞社など後援)は28日、兵庫県明石市の明石トーカロ球場で準決勝があり、史上初の4連覇をめざす中京(東海・岐阜)と初優勝を狙うあべの翔学(大阪)が決勝に進んだ。両校による決勝は第67回大会(2022年)以来。当時は中京がサヨナラ勝ちで優勝した。

 中京は九回サヨナラで専大北上(東東北・岩手)を下した。あべの翔学は延長タイブレークを制し、早大学院(東京)に競り勝った。決勝は29日午前9時半から同球場である。

  • 「日本野球史上最長試合」を2人の投手が振り返る

中京、エース内野が意地見せる

 継投で勝ち上がってきた中京はこの日、先発のエース内野歩に試合を託した。互いに無得点で迎えた八回1死満塁の大ピンチでは、相手打者をスライダーで翻弄(ほんろう)し、2者連続の三ゴロで得点を許さなかった。平中亮太監督は「意地を見せた。これでいける」。九回は打線が奮起し、曽我凰晟(おうせい)の中越え打でサヨナラ勝ち。完封の内野は「決勝も投げたい。4連覇へ壁を越えたい」。

あべの翔学、好守で延長を制する

 あべの翔学は1点を勝ち越した直後の延長十回裏、守りでビッグプレーが出た。タイブレークの無死一、二塁。右翼手の浅香澄心は、不規則にはねてきた打球を猛ダッシュでつかむ。本塁への好返球で二塁走者の生還を阻んだ。チームはそのまま守り勝ち、浅香は「なんとかチームに貢献したかった。優勝して、過去の先輩の悔しさを晴らしたい」

中京、あべの翔学ともに投手安定。決勝は接戦か

 中京は3試合で無失策と隙がない。準決勝で制球力を取り戻した内野歩のほか、左腕の川村駿、奥村奏太も控え、投手陣も盤石だ。どの試合も得点に絡んだ4番田口天照(てんしょう)、5番曽我凰晟(おうせい)に好機で回して先制したい。

 対するあべの翔学は、右腕村田和優(かずひろ)と左腕若林大翔(やまと)の二枚看板。準決勝で今夏初失点したが、安定感がある。きわどいコースを突いて、中京得意の進塁打戦法「たたき」を封じられるか。打線は毎試合長打を放ったほか、犠打飛を絡めて着実に得点した。攻撃のパターンは幅広い。

 互いに投手陣の状態が良いだけに、一つのミスが勝敗を分ける。

国スポ出場校も決まる

 日本高校野球連盟は28日、9月29日から滋賀県で開かれる国民スポーツ大会・高校野球競技(軟式)の選考委員会(委員長=宝馨・日本高野連会長)を開き、出場する8校と補欠校を決めた。

 ▽出場校 専大北上(岩手)、早大学院(東京)、松商学園(長野)、中京(岐阜)、あべの翔学(大阪)、広陵(広島)、東九州龍谷(大分)、比叡山(開催地)

▽補欠校 ①三浦学苑(神奈川)②能代(秋田)(丸数字は順位)

共有