石巻工―仙台育英 四回、仙台育英の今野が三盗を試みるもタッチアウト=2025年5月24日午前10時52分、石巻市民、岸めぐみ撮影

 第72回春季東北地区高校野球県大会は24日、石巻市民球場で準決勝2試合が行われた。投打のかみ合った仙台育英が7回コールドで石巻工に勝利し、聖和学園は延長十一回タイブレークに連続安打で東陵を破った。両校ともに来月、山形県で開かれる東北大会の出場を決めた。

 決勝と3位決定戦は25日、同球場で行われる。

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狙いすまして決勝打 聖和学園・佐々木敬司選手

 延長十一回タイブレーク。村上大晟選手(3年)が初球で送りバントを決め、1死二、三塁。好機で3番の佐々木敬司選手(3年)に打席が回ってきた。

 「大晟が送ってくれたから、自分が決めないと」。狙っていたという外角高めのストレートを振り抜き、走者一掃の三塁打を放った。その後も打線がつながった聖和学園は、春の東北大会初出場を決めた。

 昨秋までは下位打線のつなぐ打者だった。「自分が打って返せたら、チームはもっと勝てるはず」。そう思い、冬は素振りやティーバッティングなど基礎的な打撃練習に地道に取り組み、前の試合から3番打者に。

 八島知晴監督は「勝負どころで弱気にならず打てたので、一つ殻を破った」と評価した。

 決勝の相手は地区予選で1―11で敗れた仙台育英。「立ち向かっていけるような力をつけるために日々練習している。定石を壊したい」と意気込んだ。

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「ど真ん中大作戦」で強気に投球 石巻工・渡辺裕月投手

 強豪・仙台育英相手に先発を任されたのは公式戦初登板の2年生右腕・渡辺裕月選手だった。

 0―1で迎えた四回、仙台育英の5番、佐々木義恭主将(3年)にソロ本塁打を許した。「打たれても当たり前。ずるずる行かないように」と切り替えると、次の打者を外角低めのフォークで空振り三振に抑えた。

 試合前、利根川直弥監督から「ど真ん中大作戦だ」と声をかけられた。とにかく逃げずに真っ向勝負してほしいという思いからだった。先発を告げられた時は怖さもあったが、「力強く勝負しよう」とマウンドに向かった。

 六回には仙台育英の打線に捕まり、連打を許したが、四球は2つだった。利根川監督は試合後、「ストライク先行で押していく姿勢が見えたので、今日のところは合格かな」と話した。

 中学まではキャッチャーだったが、監督から強肩を見込まれ高校からピッチャーに。「もっとコントロールを磨いて、ストレートも強く投げられるようになりたい」

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