東北学院榴ケ岡―仙台育英 八回、場外本塁打を放つ仙台育英の高田=2024年9月28日午後2時13分、仙台市民、岸めぐみ撮影

 第77回秋季東北地区高校野球宮城県大会は28日、仙台市民球場で準決勝2試合があり、古川学園と仙台育英が勝利した。29日は同球場で、古川学園―仙台育英の決勝と、石巻工―東北学院榴ケ岡の3位決定戦がある。上位3校は、10月12日から始まる東北地区大会に出場する。

 「いいバッターが前にも後ろにもいる。自分の役目は、送ることとつなぐこと」。古川学園の3番打者、菊地奏汰選手(1年)は確実な小技でチームに勝利を呼び込んだ。

 初回、連打で無死一、三塁の好機。初球から落ち着いてスクイズを決め先制。八回には2死一、三塁の場面で、山崎雄大監督からセーフティーバントのサインを受けた。「2死だったので緊張した」。2球目、三塁側にうまく転がし、追加点を挙げた。

 「きょうの試合のテーマは足を使うこと」。打てない状況でも、バントや盗塁などで得点することをチームの目標とし、試合に臨んだ。そのテーマを体現した2打席だった。

 新チームになり、バントの精度を課題にした。全体練習で、1人がバントを失敗したら、部員全員でグラウンドを1周する。「試合と同じ緊張感で練習できる」と菊地選手。もともとバントは得意だが、試合前には個人的に、チームメートに30球ほど投げてもらい、バントを練習した。

 試合直前まで自分の役割を果たすための準備を重ねた。「練習した成果が出てよかった」と振り返った。(岸めぐみ)

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