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横浜清陵のエース二野宮=相模原
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(13日、第106回全国高校野球選手権神奈川大会3回戦 横浜創学館6―5横浜清陵)

 同点で迎えた七回裏1死二塁。決勝打を許した場面を振り返り、横浜清陵のエース左腕、二野宮遥(3年)は言った。「あの時の球は覚えていません。覚えていないってことは、その球を投げたことを後悔していないんだと思います」

 昨秋、監督の勧めでサイドスローに転向した。持ち球は、最速125キロの直球とカーブだけ。観察眼と少ない球種を磨きあげ、打者が嫌がる「ずるがしこい」投球が強みだ。仲間からは「いつも冷静で肝が据わっている」と評される。二回にマウンドを託された時も含めて6回、二塁に走者を背負ったが、「ピンチも、もちろん楽しかった」と強心臓ぶりを見せた。

 横浜創学館とは春の県大会3回戦で当たり、勝利した。だが「春と夏は違う。全く新しいチームとやるつもりで臨んだ」。年中一緒に昼食をとり、白球を追った仲間が、寝ずに研究してくれた配球で戦った。

 結果は1点差で惜敗。試合直後は気丈に振る舞っていたが、出場できなかった仲間の涙を見て、こみあげるものがあった。「出られた者として、本当に悔しい。大学で活躍して、この3年間は間違っていなかったと証明したい」(手代木慶)

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