米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設について、朝日新聞と沖縄タイムスは共同で、沖縄を除く46都道府県知事にアンケートした。沖縄県の基地負担について、21人が「軽減すべき」と答えた一方、自らの自治体に米軍基地を受け入れる意思があると答えた知事はいなかった。辺野古移設計画については、43人が適否の判断を示さなかった。
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政府は昨年末、辺野古の新たな区域を埋め立てるための設計変更申請を沖縄県知事に代わって承認する「代執行」をし、今年1月に工事を始めた。前例のない代執行や、国土面積の0・6%の沖縄県に米軍専用施設の7割が集中する状況は、地方自治や安全保障といった日本全体の課題であるととらえ、すべての知事に質問し、3月上旬までに回答を得た。
基地負担を「軽減すべき」と答えた21人の回答には「沖縄県に占める米軍用施設の面積割合は極めて高い。軽減に向けた見直しを継続すべき」(埼玉・大野元裕氏)、「全国で分担し合う体制を構築することが必要」(秋田・佐竹敬久氏)といった指摘があった。同様に沖縄県の基地負担について尋ねた2010年の朝日新聞社のアンケートでは、15知事が「軽減すべき」と答えていた。
しかし、負担軽減のため基地を受け入れる意思の有無を聞いたところ、「ある」と答えた知事はいなかった。負担軽減の手法として、国外移転や返還促進を挙げた知事もいたが、多くは「どちらともいえない」や無回答だった。「(隣接する山口県の)岩国基地について、周辺の県で生じている騒音問題に一切防音対策を講じていない政府の対応を見ると、受け入れる意思はない」(島根・丸山達也氏)や「国から要請があった場合は、市町村とも協議して対応していく」(大阪・吉村洋文氏)という意見もあった。
辺野古移設計画の適否については「適切」「どちらかといえば適切」が各1人、「どちらかといえば不適切」が1人、「どちらともいえない」や無回答などが計43人。代執行についても「適切」が3人、「どちらかといえば不適切」が1人、「どちらともいえない」や無回答などが計42人だった。「どちらともいえない」と答えた知事の多くは「安全保障は国の専管事項であり回答を控える」と理由を説明した。(伊藤和行、上地一姫)
代執行、1人だけ「どちらかといえば不適切」
46都道府県知事のうち、辺…