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防衛省が訓練場整備を計画していたゴルフ場跡地=2024年2月8日午後1時34分、沖縄県うるま市、棚橋咲月撮影
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 防衛省が沖縄県うるま市に陸上自衛隊の新たな訓練場を整備する計画について、木原稔防衛相は11日、予定地の取得を断念し、計画を白紙に戻すと表明した。地元の強い反対を受けた判断で、県内で別の候補地を探す。

 「住民生活と調和しながら、訓練所要を満たすことは不可能だ。訓練場の整備計画を取りやめる」。木原氏は記者団にそう説明した。この日、うるま市の中村正人市長らから計画撤回の要請を受けていた。

 防衛省は、那覇市を拠点とする第15旅団の「師団」格上げに伴う人員増で訓練場が必要になるとして、うるま市のゴルフ場跡地を今年度に取得する計画だった。だが、予定地は住宅街や教育施設に近く、地元では騒音や事故への懸念が広がった。

 木原氏は2月中旬、現地を上空から視察。その際、「確かに(住宅地に)近いという感覚は持った」と記者団に語っていた。

 6月に県議選を控える中、地域の声を無視できない自民党県連が反対に回ったことも「だめ押し」となった。検討の過程で、予定地を取得した上で住民も利用できる施設にするといった案も出たが、関係者によると、地元では土地取得自体への反発が強く、計画を白紙に戻すことで落ち着いたという。

 木原氏は「地元の状況把握や分析、検討が不十分だった」と認めた。

住民猛反発、「南西シフト」不安も背景に

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