青森山田―沖縄尚学 三回裏沖縄尚学1死三塁、新垣瑞は先制の左前適時打を放つ=上田博志撮影

(19日、第97回選抜高校野球大会1回戦 沖縄尚学6―3青森山田)

  • 沖縄尚学・末吉、制球に苦しみながら完投 青森山田は反撃及ばず

 三塁側アルプスからの指笛が鳴りやまない。寒空の甲子園で集中打を浴びせた沖縄尚学には、一つの策があった。

 「下山の前で点を取れ」

 青森山田は昨秋、全ての公式戦を3投手による継投リレーで勝ち上がってきた。その下山大昂とは、3番手で登板する「抑え役」。昨夏の甲子園でも14回を投げて無失点だった、エースナンバーを背負う好投手だ。

 簡単には打ち崩せない。ならば、前の2人を攻めて試合を優位に進める。その狙いが、1―0で迎えた五回にはまった。

 相手マウンドには2番手の菊池統磨。横手投げの右腕に対し、2死走者なしから打席に入った2番・宮城泰成は「菊池投手が投げるときがキーになると思っていた」。

 2ストライクから必死に食らいつき、8球目で四球を選んだ。続く新垣瑞稀も粘って四球を奪う。2人は左打者で、「右横手はホームから距離が遠いからボールが見えやすい」と新垣瑞。しっかり見極めて2死一、二塁を作った。

 4番の比嘉大登は「四球は安打と一緒。良い形を作ってくれた」と、外角への直球を流して右前適時打で追加点を挙げた。応援曲「ハイサイおじさん」で沸き立つスタンドに呼応するかのように、この回は打者一巡の猛攻で5点を奪った。

 奮闘したバッテリーは2年生だ。2安打1打点の新垣瑞は「バックにいる3年生が助けてあげないと」。3度目の選抜制覇をめざすチームの一体感は、さらに増している。

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