Smiley face
写真・図版
著書「子どもも兵士になった」を手にする真鍋和子さん=2025年6月5日午後4時42分、千葉県習志野市、北野隆一撮影
  • 写真・図版

 児童文学作家の真鍋和子さん(77)=千葉県習志野市=が、沖縄戦に14~15歳で駆り出された学徒兵を描いたノンフィクション「子どもも兵士になった 沖縄・三中学徒隊の戦世(いくさゆ)」(童心社)を4月に出版した。今月23日は、戦後80年の沖縄慰霊の日。真鍋さんは本に「戦争の本質はなにか」という問いを込めたという。

 太平洋戦争の戦局悪化に伴い、召集できる年齢が17歳に引き下げられ、沖縄では特例として14歳でも兵士にできるようになった。米軍が迫る1945年3月、沖縄の中学校や師範学校で「鉄血勤皇隊(てっけつきんのうたい)」や「通信隊」が組織され、看護要員とされた高等女学校の生徒も含めて21校の2千人以上が動員され、半数が戦死した。

 「子どもも兵士になった」で描かれたのは、沖縄県名護市の旧制県立第三中学校(現在の県立名護高校)の生徒ら。45年3月に通信隊や歩兵隊などに組織され、十分な訓練も受けないまま、4月には米軍との地上戦の最前線に立たされた。満足な武器や食料も与えられず、次々と戦死。学徒兵は足手まといとみられたのか、1カ月もたたないうちに解散を命じられ、山中をさまよった。

子どもたちの過酷な体験が伝えること

 真鍋さんは、伊江島の反戦地…

共有