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ピーチ・アビエーションの機体=2020年5月、関西空港

 格安航空会社(LCC)のピーチ・アビエーション(本社・大阪府)の機長が運航規定で定めた禁酒時間内に飲酒し、運航前のアルコール検査も適切に行われていなかった問題で、同社は7日、国土交通省に再発防止策を提出した。アルコール検査に合格していない場合は飛行計画が承認されないよう、システムを改修する。

 同社ではこれまで、アルコール検査の担当者が乗員の調整など他業務も手伝っていた。今後は業務を切り離し、検査担当が検査に専念できるようにする。飲酒に関する教育の徹底のほか、再発防止策が機能しているかチェックする会議体も設置する。同社は「このような事象を発生させたことを重く受け止め、全社一丸となって再発防止策に取り組む」とコメントしている。

 同省などによると、機長は1月7日未明からシンガポール発関西行きの国際線を運航する予定だった。同社の規定では勤務開始の12時間前から禁酒するよう定めているが、禁酒時間内である前日午後1時半~2時に1人でビール1リットルを飲んだという。機長は運航前の自主検査でアルコールは検知されておらず、運航後の同社の聞き取りに対して「禁酒時間より前に飲んだ」とうその説明をしていた。

 また、機長と副操縦士は航空法で義務づけられているアルコール検査も受けていなかった。同社は法定検査の前に2段階の自主検査を行っており、機長と副操縦士は事前検査は受けていたという。だが、ホテルで行う法定検査を受け忘れ、同社のアルコール検査を管理する担当者もシステムに検査結果が反映されていないにもかかわらず、確認を怠っていた。離陸後に交代した担当者が気づき、発覚した。

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