法政大学多摩キャンパス(東京都町田市)で授業中に学生8人を金づちで殴ったとして、傷害罪に問われた韓国籍のユ・ジュヒョン被告(23)=八王子市=の初公判が13日、東京地裁立川支部(中島経太裁判長)であった。被告は起訴内容を「間違いないです」と認めた。検察側は懲役3年を求刑し、弁護側は執行猶予付きの判決を求め、結審した。判決は27日の予定。
起訴内容は、1月10日午後3時45分ごろ、当時通っていた同キャンパスの教室内で、当時19~22歳の学生8人の頭などを金づちで殴り、全治1~2週間のけがをさせたというもの。
検察側の冒頭陳述などによると、ユ被告は、被害者と面識がないか、ほとんど交流がなかった。事件の数カ月前からいじめを受けていると大学側に相談していたが、事件後の精神鑑定では、精神疾患による思い込みや幻聴も認められたという。
検察側は論告で、被害者8人は悪口を言っていないとした上で、「教室内の学生を無差別に狙った身勝手な犯行だ」と主張。一方、弁護側は、ユ被告が実際に学内で悪口を言われたこともあり、いじめをやめさせたいとの思いで事件を起こしたと反論した。