松江家裁と松江地検、島根県弁護士会が共催で5月29日、島根大学生を対象に「裁判官・検察官・弁護士に聞いてみよう」と題した見学会を松江地裁で開いた。法曹三者の果たす役割を知り、理解や信頼を深めてもらうとともに、制度開始から15周年を迎えた裁判員制度への関心を高めてもらうという取り組みだ。
法文学部法経学科1年の76人が、必修科目の「入門演習」として参加。地裁刑事部の西野入傑(にしのいりすぐる)裁判官が、これまでに同地裁では46件が裁判員裁判で審理されこと、裁判員の対象が18歳以上になったこと、経験者の多くが「よい経験と感じた」とアンケートに回答したことを紹介し、理解と参加を求めた。
捜査と公判を担当する寺本茂樹検事は「法曹は他人の人生を左右し、大きなやりがいがある。検察庁には事務官という働き方もあり、事務官から検察官になる人もいる。関心があれば目指してほしい」と話した。
司法試験を受験したいという学生からの質問に、社会人を10年経験した後、法科大学院に進んだという広沢努弁護士は「すでに家族もいて勉強時間が確保できず、授業を学習の柱にした」「地域、内外、多様な物事に関心を持ち、自分に限界を設けない」などと助言した。
岩井このみさん(18)は「裁判所に来るのも法廷に入るのも初めて。裁判員制度を詳しく知ることができ、もし裁判員に選ばれた時は積極的に参加しようと思いました」と感想を話した。(中川史)