徳川幕府が開かれ、戦国時代が終わろうとしていた慶長年間(1596~1615)、10代で達磨寺(奈良県王寺町)や法隆寺(同斑鳩町)の鬼瓦を手がけた、天才的な瓦師がいたという。帝塚山大学の岡島永昌・准教授(日本近世史)が4月、市民大学講座で紹介した。
岡島さんは今春まで王寺町職員として、文化財の調査や保護を担当。達磨寺では本堂の建て替えや方丈(客殿)の修理にともなう調査を手がけた。
建て替え前の本堂には江戸時代以前の瓦が使われており、鬼瓦には慶長10(1605)年に奈良・西ノ京の瓦大工「国重」が手がけたという銘文が。「年拾(十)六歳」と、国重の年齢も刻まれていた。
「利介」「吉重」も同一人物?
「16歳でこれだけの鬼瓦を…