国内のアフレスコ画の第一人者で、文化勲章も受章した洋画家・絹谷幸二(きぬたに・こうじ)さんが1日、悪性リンパ腫のため死去した。82歳だった。通夜は8日午後6時、葬儀は9日午前10時30分から東京都港区芝公園4の7の35の増上寺光摂殿で。喪主は妻宏美さん。
奈良市出身。東京芸術大で油絵を学んだのち、イタリアへ留学。壁画の古典技法・アフレスコを学ぶ。1998年長野五輪の公式ポスターの原画や、多くの公共建築物の壁画や天井画を制作。鮮やかな色彩で富士山や日本古来の神々をエネルギッシュに描き人気を博した。
「アンセルモ氏の肖像」で74年安井賞、89年毎日芸術賞。日本芸術院会員、独立美術協会会員。東京芸術大の教授として後進の育成にも努めた。
今年5月から、各地の高島屋で個展を開催。同月に日本橋高島屋(東京都中央区)でのギャラリートークに姿を見せ、「世界で争いが絶えない今だからこそ、楽しく明るい絵を」と語っていた。