• 写真・図版

洋食堂 のろ(京都)

 カウンター10席のコースを都合2人で回す。となれば、「多少目を離しても大丈夫な、でもおいしい料理」とシェフの河野竜二さんは設定した。強火にかけた鍋を尻目に、フライパンで野菜を炒めたかと思えば、振り向きざま、今度はまな板に向かって肉を切り出す。オープンは2023年9月。開店1年を待たず評判の店となり、ランチ時のキッチンは戦場と化す。

 フォーシーズンズやアマンなど名だたるホテルの厨房(ちゅうぼう)を渡り歩いた河野さんにとって、客の食べた瞬間の表情を間近にするのは新鮮だった。「最後のお客様が席を立てばもうフラフラ、それでも心地よいです」と笑う。何より、「こんなうれしい気持ちになるとは思わなかった」と。

 「リストランテ野呂」の展開…

共有
Exit mobile version