ロシアのカムチャツカ半島付近を震源とする7月30日の地震では、日本でも各地で津波の警報や注意報が出された。夏休みで学校のないこの時期、避難指示のあった兵庫県最南端の離島の子どもたちは、どう行動したのか。
淡路島本島から船で10分、4.6キロ南にある沼島(ぬしま)。南あわじ市立沼島中学校2年生の石川遊沙(あさ)さん(13)は、自宅でテレビを見ていて津波注意報を知った。瀬戸内海沿岸と淡路島南部に津波の警報・注意報が出たのは2011年の東日本大震災以来、14年ぶりのことだった。
島にサイレンが鳴り響いた。低くもなく高くもない音。水門が次々と閉められていく。初めての音と光景。怖い。けど、実感がなかった。
普段は淡路島本島で仕事をしている母親の陽子さん(49)が、たまたま休みで在宅していた。遊沙さんは水筒とスマホを持って、「避難する?」と声をかけた。
この日は陽子さんが本島で車…