みなさん、こんにちは。先週、ロシアのカムチャツカ半島付近で、マグニチュード(M)8.7の巨大地震が起きました。千島列島北部に位置するパラムシル島の主要都市セベロクリリスクを、高さ5~5.5メートルの津波が襲いました(目視による推定)。沿岸の水産加工施設が流されるなど、大きな被害が出ているようです。ただ幸いなことに、現時点で死者は確認されていません。
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現地からの映像をみると、多くの車や建物が大津波にのみ込まれたり押し流されたりしており、死者が出ていないことが奇跡的に思えます。
セベロクリリスクは1952年にも、今回の震源近くで起きたM9の超巨大地震の津波に襲われ、2千人以上が犠牲になりました。その後、街の中心部を海抜約20メートルの高台に移していたことが、今回大きな人的被害を避けられた大きな要因のようです。
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ところで今回ネット上では、パラムシル島をめぐってもう一つの論点が話題になりました。それは、メディアがこの島をロシアと呼ぶことは適切なのか、という疑問です。
千島列島は、今もなお帰属未定
たとえば「ロシアのパラムシル島を大津波が襲った」と書いても良いのでしょうか。今回はこの問題を取り上げます。
パラムシル島は、かつて日本…