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2024年12月14日午後0時44分、ソウル中心部の光化門広場で、スマホに「弾劾(だんがい)反対」の文字を映して歩く市民
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 民主主義が傷つけられた――。そう感じた韓国の若者は次々と街頭へ出て、声を上げた。その手にはアイドルの応援に使うペンライト。14日に弾劾(だんがい)訴追案が可決された尹錫悦(ユンソンニョル)大統領が出した「非常戒厳」は社会に衝撃を与え、新たな政治参加の形が広がっている。

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 ソウル・汝矣島(ヨイド)の国会前。通りを埋め尽くした若者たちが、設置されたステージの方を向く。K―POP音楽のリズムに合わせ、「尹錫悦、退陣しろ!」と叫びながら、BTSやNCTといった人気グループの「応援棒」(ペンライト)を一心に揺らした。屋台も出て、コンサートさながらの盛り上がりだ。

 この集会に参加した大学3年の趙下恩(チョハウン)さん(22)は「自分個人の利益のためだけに戒厳を道具として使った」と尹氏を批判した。非常戒厳の前までは、デモに参加したことはなかったが、「戒厳」と聞いて、ノーベル文学賞を受賞したハン・ガンさんが戒厳下で民主化を訴える大学生や市民が軍に弾圧された光州事件を描いた小説「少年が来る」を思い出し、悲しみがわいた、と話した。

 尹氏の弾劾(だんがい)を求める集会は、非常戒厳の宣布後、連日開かれている。参加者は「楽しみながら政治に意見するのは新鮮」と、笑顔も見せる。

「誕生日プレゼントに政権交代を」

 3日夜の非常戒厳の宣布後…

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