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約36時間漂流した女性は、海上保安庁の特殊救難隊に救助された=2024年7月10日、千葉県・野島崎沖、第3管区海上保安本部提供

 静岡・伊豆の海水浴場から千葉・房総半島沖へ80キロ、夏の海を漂流した女性(21)が36時間後に救出された。11月には女性を発見した船員らが、海上保安庁側から異例となる2度目の表彰を受けた。奇跡の連続――。そう評される救出の内幕を関係者の証言でたどる。

 「航海歴25年で漂流者に出会ったのは初めて。シーマンシップが起こした奇跡でした」。大型貨物船「ひまわり9」の猪田隆志船長(46)はそう振り返る。

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「助けたい人が目の前にいたから」

 7月10日午前7時半過ぎのことだ。船は北海道・釧路港から東京港へ向かっていた。房総半島南端の野島崎沖にさしかかったところで、船長は海上警戒を担当する木村将希さん(31)から報告を受けた。

 「漂流物があって双眼鏡で見…

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