今年、サンゴの深刻な白化が国内外で確認されている。2024年は日本のサンゴの危機が予測されていた年でもあった。冬になっても温かい水温に、色の消えたサンゴ礁――。海の異変は静かに進んでいる。
毎年夏になると多くのダイバーや観光客でにぎわう沖縄県恩納村の真栄田岬。11月中旬、記者が海の中に入ると、白くなったサンゴや、藻が付着して死滅しているサンゴが広がっていた。
世界のサンゴの4割超が絶滅の危機
「最大の脅威は気候変動だ」
今年11月にアゼルバイジャンで開かれた国連気候変動会議(COP29)で、国際自然保護連合(IUCN)はサンゴの危機をこう訴えた。IUCNがサンゴ礁をつくる世界の造礁サンゴ892種を対象に調査したところ、44%が絶滅の危機にあることがわかった。
日本近海の造礁サンゴについても、461種のうち178種が絶滅危惧種と評価された。このうち122種は08年に行われた前回の評価では、絶滅危惧種ではなかった。
20年の国連報告書は、サンゴの死滅につながる「白化現象」について、「早ければ34年に世界全体で常態化する可能性がある」と予測している。日本近海のサンゴについては「早ければ24年」と言及している。
サンゴはかつて植物と思われ…