Smiley face
写真・図版
れんがを用いてキャッチングの練習をするデニスさん=2024年10月15日午後4時33分、あいべつ球場、鈴木優香撮影

 学生時代、親の転勤や留学で一定期間海外で暮らした。それまで気付かなかった日本の特徴に気付き、新たに暮らす土地や人の特性にも敏感に反応できた。

 海を渡って日本にやってきた人と、北海道。そこを掛け合わせたら、北海道の魅力や課題がもっと見えてくるのでは? それが、新年連載「Be Ambitious!」の始まりだ。

 描いたのは、夢や目標、自分の愛するものを追ってこの地を選んだ人たち。プロ野球選手を目指すウガンダの青年に、インドの若き馬乗りや、イタリアのチーズ職人――。

 話を聞けば聞くほど、当たり前だったものが魅力的に映り始めた。スポーツを始めようと思った時、道具や場所が手に入ることだって恵まれたことなのだ。

 同時に共生のために、変わらなければならない面も見えてきた。外国籍の子どもたちが困らないよう教育の選択肢を増やすこと、日本語ができない親や観光客のために多言語で情報を発信すること。きっと、どれも北海道の未来を良くしてくれるものだとも思う。

 連載名は、クラーク博士の言葉「Boys, be ambitious!(少年よ、大志を抱け)」に由来する。

 今回話を聞かせてもらった人たちは、誰もが「自分と同じような環境の子どもたちにも希望を与えたい」「世界一おいしいチーズを作りたい」「美しい森を後世に残したい」といった大志を持ち合わせていた。

 自分も含め、誰だって、彼らのように大きな志を抱いたっていいのかもしれない。彼らの生き方や言葉には、そう思わせてくれる力があった。

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