東京都が今年10月、全国の都道府県で初めて、無痛分娩(ぶんべん)の費用の助成に乗り出す。海外と比べて日本は無痛分娩が広がっていないとされるなか、「女性の苦しみに目を向けた」と評価する声も出ている。
都は少子化対策の一環として、無痛分娩をする都内の妊婦に最大10万円を助成する方針。関連経費も合わせて新年度予算案に12億円を計上した。
無痛分娩への助成は、3期目に入った小池百合子知事肝いりの事業だ。1月の朝日新聞のインタビューでは、こう言及した。
「世界の状況をみると、無痛分娩はごく普通に行われている。国によっては非常に高い比率となっている」
出産の痛みは「当然なもの」?海外と違う制度と考え方
実際、海外では無痛分娩が主流となっている国もある。2019年の日本産科麻酔学会のまとめでは、全分娩数に占める無痛分娩の割合はフランスで8割、米国で7割、韓国で4割にのぼった。
一方で日本は、無痛分娩の割…