テキサス新幹線のダラス駅の建設が計画されている場所やその周辺=米テキサス州ダラス、ランハム裕子撮影
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 企業の海外インフラへの投資を支援する官民ファンド「海外交通・都市開発事業支援機構」(JOIN)が、巨額の累積赤字を抱えていることがわかった。ミャンマーやブラジルなどの事業が失敗し、2024年3月期決算で799億円の損失を計上。従来分を含めると955億円にのぼる。採算性が疑問視されてきた官民ファンドの是非が問われる。

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 JOINは14年10月に設立。官民ファンドとはいえ、民間の出資はわずか2%で、実態は国の丸抱えに近い。民間企業と共同で、途上国の街づくりや港湾整備などに投資し、今年3月末までの投融資額は2561億円にのぼる。この4割で回収のめどが立たない異例の事態となっている。

 ミャンマーでは、ビルを建設する都市再開発事業「Yコンプレックス」などが国軍のクーデターで中断し、179億円の損失が出た。米テキサス州の新幹線建設事業でも417億円の損失が発生したほか、ブラジルの鉄道事業でも投資が回収できなくなっているもようだ。

 JOINの経営計画では、2…

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