海上保安官といえば、過酷な訓練を乗り越え、命を懸けて救助に挑む「海猿」――。そんなイメージから脱却しようと制作された動画が、優れた放送作品に贈られるギャラクシー賞CM部門の選奨を受賞した。海上保安官の多様な働き方をPRする背景には、任務が拡大するなかでの深刻な採用難がある。
第3管区海上保安本部(本部・横浜市)が制作したPR動画「海上保安官物語」は、ドラマ仕立ての3本からなる。主人公のモデルは、いずれも実在する職員だ。
「兄の特技は泳ぐこと」。弟の視点から描かれる「兄編」は、「海猿」の主人公と同じ潜水士をめざす職員だ。プロテインを飲み、筋トレに汗を流す毎日。「泳ぐことだけは誰にも負けない」と自負してきたが、潜水士試験に3回落ち、海を離れる。その後、人事課の採用担当としてやりがいを見いだしていく。
「妻編」の主人公は、横浜港の周辺を守る巡視艇「はまぐも」の女性船長がモデル。部下の悩みに向き合う姿などを夫の視点から見つめる。「父編」は「最近、ぽっこりおなかを気にしている」調理担当の職員を娘の視点でほほ笑ましく描く。
海を守る様々な仕事
広報担当として、制作に携わ…