度重なるコンプライアンス違反について陳謝し、頭を下げる川崎重工業の橋本康彦社長(右)と西村元彦専務=2024年9月27日、東京都港区、高橋豪撮影

 海上自衛隊の潜水艦乗組員らに対する裏金接待疑惑をめぐり、川崎重工業は27日に会見を開き、11月から防衛事業について社内で一元管理する「防衛事業管理本部」を設けることを明らかにした。これまで受発注や機密情報は事業部門ごとに扱っていた。閉鎖的な管理体制を透明化して、ガバナンス強化を図る。

 川重は事実関係の調査や原因究明をする組織を立ち上げ、年内の報告をめざしている。さらに全事業の社員に無記名のアンケートを行うなどして、他に不正がないか調べている。

 川重では8月に船舶エンジンのデータを改ざんする不正も見つかっている。この日、問題発覚後に初めて記者会見に臨んだ橋本康彦社長は、度重なるコンプライアンス違反について陳謝。裏金接待については2月に大阪国税局から指摘を受けて初めて知ったと強調する一方、「こういったことがまだこの時代に行われていたかということに関しては、トップとして大変反省すべきことだ」と話した。事案の詳細や経営責任は、社内や外部で調査中だとして回答を控えた。

不正の度に全社調査も把握できず

 船舶エンジンをめぐっては…

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