Smiley face
写真・図版
フィリピン海軍との合同演習に臨んだ海上自衛隊の護衛艦「たかなみ」=2025年6月14日、南シナ海、大部俊哉撮影

 海上自衛隊の護衛艦「たかなみ」が今月中旬、中国本土と台湾の間の台湾海峡を通過していたことが、複数の政府関係者への取材でわかった。日本周辺での軍事活動を活発化させる中国を牽制(けんせい)する狙いとみられる。直前の今月初旬には、中国海軍の空母艦載機が海自機に異常接近する事態が起きていた。

 海自艦が台湾海峡を通過するのは昨年9月、今年2月に続き3例目。

 政府関係者によると、たかなみは今月12日に東シナ海から台湾海峡を南進し、南シナ海に抜けた。14日に実施されたフィリピン海軍との共同訓練に向かう際、あえて通過したとみられる。中谷元・防衛相は「中国の一方的な現状変更を許さない意思を示すべきだ」と官邸側に進言し、海峡通過の機会を探っていたという。

  • 海自とフィリピン軍が南シナ海で演習 記者が同乗、中国軍艦が接近
  • 中国軍機の異常接近 トランプ政権下の「力の空白」で活動拡大か

 中国海軍は5月下旬以降、空母2隻を日本周辺で航行させ、今月7日には伊豆諸島からグアムを結ぶ「第2列島線」を初めて超えた。7~8日には中国空母を発った艦載機が海自機に異常接近するなどしたほか、戦闘機やヘリコプターの発着艦が約780回行われるなど活発に活動している。

共有