日本列島を北上している桜前線。その一方で、桜の幹の中を食い荒らす外来種のカミキリムシによる被害もじわりじわりと全国に広がっている。地元に長く愛された桜並木が伐採される地域もあるなか、各地で被害を防ぐ対策が進む。
かつてあった桜が…… 被害は13都府県に拡大
大阪府羽曳野市にある農林水産業の研究施設。かつては春になると週末も自由に出入りできるよう開放し、花見を楽しむ多くの近隣住民でにぎわった。ところが3年前、十数本あった桜並木が数本を残し、伐採された。
近くに住む男子大学生(21)の家には、子どものころ家族で花見に出かけた時の写真が今もある。「ずっとあるもんやと思っていました。切られてもうないと知った時は、驚いた」
原因は外来種の「クビアカツヤカミキリ(クビアカ)」だった。
環境省や研究者によると、元…