アジア安全保障会議で演説するヘグセス米国防長官=2025年5月31日午前8時38分、シンガポール、長島一浩撮影

 今年のアジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)は、大国のエゴがとりわけ目立った。

 中国は、国防相の派遣を見送った。主催者が公表した日程では、例年通り3日目の1日午前8時35分から中国セッションがあり、代表団トップが演説する予定だった。

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 ところが開幕日の5月30日午前になっても、主催者は「中国が演説するのかも分からない」と慌てていた。結局、開幕直前にそのセッションはキャンセルされ、その時間の予定は空白となった。期間中、米中の代表による対話もなかった。

 董軍国防相の代わりに派遣された中国国防大学の胡鋼鋒副校長は「派遣のレベルはその時々で異なり、正常な調整の結果だ」と言ったが、習近平(シーチンピン)指導部が米国との対話を避けたのは明らかだ。

 2月にドイツで開かれたミュ…

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