観光客でにぎわう三保の松原・羽衣の松周辺の海岸=静岡市清水区三保

 天女が舞い降りる「羽衣伝説」で有名な三保松原(みほのまつばら)のある三保半島(清水海岸)で、半世紀にわたる砂浜の復元と保全の工事が続いている。転機は2013年の富士山の世界文化遺産登録。三保松原は構成資産のひとつだが、波から砂浜を守るための消波ブロック(消波堤)が「美しさの観点から望ましくない」とユネスコの諮問機関の国際記念物遺跡会議(イコモス)に指摘され、静岡県が「撤去」の方針を決めたためだ。

 好天に恵まれた3月20日の春分の日。三保松原周辺は、外国人観光客を中心に大にぎわいだった。

 羽衣の松付近から、砂浜に降りる。波打ち際近くまで少し歩くと、雄大な富士山の姿が広がり、観光客から歓声があがる。羽衣の松付近の海岸からは消波ブロックはほとんど見えないが、富士山に向かって砂浜を数分歩くと、消波ブロックの丘が見えてきた。

消波ブロックの撤去を進めながら、砂浜を復元するためにどうしたらいいのか。50年にわたるプロジェクトが進めらています。

 「景観的によくないけど、ブ…

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