身の回りにあるものを素材や題材にするポップ・アート。親しみやすく、しかし時に社会を風刺的に表現した作品は今、どのようなメッセージを投げかけているか。代表的な作家ロバート・ラウシェンバーグの生誕100年でもある今年、山梨と東京で展覧会が開かれている。
明るさと反戦と 今に通じるメッセージ
山梨県立美術館(甲府市)は、「ポップ・アート 時代を変えた4人」展を開催。スペインのコレクターが所蔵する、いずれも日本初公開の版画やポスターなど約120点が並ぶ。
大量生産・大量消費社会に突入した1960年代のアメリカでのポップ・アートの発展と、その魅力を探っていく。
当時、コミックの一コマを印刷のドットまで拡大して描いたロイ・リキテンスタインや、マリリン・モンローなどの著名人の色鮮やかな肖像画を作ったアンディ・ウォーホルなど、明るい作品がアート界を席巻。
一方、ベトナム戦争をめぐって反戦運動が起こっていた時期でもある。ジャスパー・ジョーンズは、迷彩服を想起させる緑と、枯れ葉剤を思わせるオレンジ色で星条旗を描いた。
日用品や写真を貼り付けた絵…