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夏の装いとなった清涼殿=2025年5月13日午後2時38分、京都市上京区、木子慎太郎撮影

 京都御所(京都市上京区)の清涼殿(せいりょうでん)が18日から一般公開される。13日には、冬物の調度品を夏物に替える「更衣(ころもがえ)」の作業が報道陣に公開された。

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夏の装いとなった清涼殿=2025年5月13日午後2時33分、京都市上京区、木子慎太郎撮影

 宮内庁京都事務所によると、清涼殿は天皇が生活していたところ。更衣は、平安時代から続く宮中の伝統行事で、現代の衣替えのルーツとされる。旧暦の4月1日と10月1日に実施されていたが、今では5月と11月に作業する。伝統文化を広く知ってもらおうと、昨秋から公開している。

 今回は職員5人が作業にあたった。清涼殿のなかにある天皇の休憩所「御帳台(みちょうだい)」を囲む「とばり」や間仕切りの「几帳(きちょう)」を1時間ほどかけて取りかえた。冬用には朽ち木の文様があるが、夏用には鶴やアシがあしらわれているという。

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更衣の作業をする宮内庁の職員=2025年5月13日午後2時20分、京都市上京区、木子慎太郎撮影

 宮内庁京都事務所管理課の福徳大亮・首席主殿長は「日々の暮らしの中に季節を取り入れるという平安の美意識を感じてほしい。千年以上続く文化が今も静かに息づいていることに関心をもってもらいたい」と話した。

 一般公開の入場は午前9時~午後4時20分。無料。問い合わせは宮内庁京都事務所(075・211・1211)。

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更衣の作業をする宮内庁の職員=2025年5月13日午後1時46分、京都市上京区、木子慎太郎撮影

 一方、13日には京都御所の庭園で「御所透かし」と呼ばれる作業も初めて公開された。マツの枝先に伸びた若芽を3センチ程度に手で摘み取り、形を整える伝統技法。マツの枝に日差しが届き、風が通りやすくするほか、庭園の景観を保つことが目的という。

 宮内庁京都事務所林園課の亀井郁典さんは「手入れの跡を残さず、庭と建物が調和するように仕上げた。枝を切りすぎずに存在感を残すことが重要」と話した。

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「御所透かし」という伝統技法でマツの芽を摘む職員=2025年5月13日午後3時35分、京都市上京区、木子慎太郎撮影
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「御所透かし」という伝統技法でマツの芽を摘む職員=2025年5月13日午後3時42分、京都市上京区、木子慎太郎撮影
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更衣の作業をする宮内庁の職員=2025年5月13日午後1時38分、京都市上京区、木子慎太郎撮影
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夏の装いとなった几帳のとばり=2025年5月13日午後1時37分、京都市上京区、木子慎太郎撮影
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「御所透かし」という伝統技法でマツの芽を摘む職員=2025年5月13日午後3時38分、京都市上京区、木子慎太郎撮影
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「御所透かし」という伝統技法でマツの芽を摘む職員=2025年5月13日午後3時33分、京都市上京区、木子慎太郎撮影

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