児童を引き取るため学校内に入る保護者ら=2025年5月8日午後1時2分、東京都立川市錦町3丁目の市立第三小学校、山浦正敬撮影

 「自分の学校でいつか起きてもおかしくない」

 東日本の公立中学校に勤める教員は、東京都立川市の小学校で起きた事件を知って、こう思った。

 同市で8日、男2人が市立小学校で暴れ、教職員5人がけがをした。その日の朝、子ども同士のトラブルをめぐり、男の知人の保護者が学校に相談に訪れていたという。

 「まさに自分ごと」と話す冒頭の教員の学校でも昨年、同級生同士のトラブルをめぐり、学校側の対応に不満を感じた保護者が夕方、来校して暴れたことがあった。生徒や対応した教職員にけがはなかったが、感情的になった保護者がけがをして出血した。

 何かあったときのために、と職員室で待機していたこの教員は、対応した教員が持っていた血のついたティッシュを見て、ショックを受けた。校長や担任らが長時間対応し、保護者は帰宅。職員室の時計を見ると、日付が変わろうとしていた。

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 この保護者はその後も、学校の対応について対面や電話で長時間、罵声を浴びせてきたといい、対応した職員からは「もはや恐喝、監禁だ」という声も上がったという。

 教員は「学校の落ち度もあるかもしれない」としつつ、疑問に思う。「間違いがあったなら謝るべきだが、何時間も続く一方的な罵声や度を越した振る舞いに、耐え続けなければならないのか」

「学校が抱え込みすぎている」

 子ども同士のトラブルが原因…

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