9月に開校する青山キャンパスのイメージ=東京都渋谷区提供

 老朽化した校舎を建て替えたいが、仮設校舎を建てる土地がない。いま、遊休地が少ない東京都心部の自治体が、似た問題に直面している。打開策として、同じ仮設校舎を使い回しながら、建て替えや改築を進める。そんな大がかりな計画が動き出している。

3棟の体育館、スクールバスを運行

 渋谷駅から徒歩約10分。国連大学本部の隣接地に今年9月、「青山キャンパス」ができる。渋谷区が建て替えを予定する区立小中学校5校が、順番に使う仮設校舎だ。敷地面積は約1万3千平方メートル。都有地の青山病院跡地を借用し、鉄骨造り3階建ての校舎棟と3棟の体育館を整備する。

 まずは広尾中と松濤中が引っ越し、来年には神南小も入る予定だ。3校の計900人ほどの児童生徒が、青山キャンパスに通うことになる。3年間で各校を建て替え、新校舎の完成後、今度は鉢山中と原宿外苑中が青山キャンパスを使う。通学距離が長くなる児童生徒がいるため、スクールバスの運行や自転車通学も想定している。

 区はもう1カ所、京王新線の幡ケ谷駅にほど近い区スポーツセンターの敷地内にも2026年度、仮設校舎「西原キャンパス」を設置する。敷地面積は約5260平方メートルで、約3年ごとに小中5校が順に入り、その間に各校の建て替えを進める。

■20年かかる計画、予算案に…

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