環境省が入る東京・霞が関の合同庁舎

 環境省と経済産業省は20日、19日に続いて両省合同の検討会を開き、2050年の温室効果ガス排出実質ゼロに向けた温暖化対策計画を議論した。20日も時間を延長して話し合ったが意見の幅は大きいままだった。24日に事務局が方針案を出し、とりまとめをめざす。

 計画に盛り込む排出削減目標については、35年度に13年度比60%減を軸とする政府案が11月に公表されている。政府が掲げる50年排出実質ゼロに向けて直線的に排出量を減らした場合の経路上にある数字だ。気候変動対策の国際ルール「パリ協定」のもと、各国は35年までの削減目標を25年2月までに国連に提出することになっている。

 検討会では、目標の引き上げ、引き下げ両方について、経済への影響や、国際的な水準に照らした際の妥当性などについて意見が出た。座長を務める大塚直・早稲田大教授は「全員がひとつの数字で合意するのは難しいという印象だ。両論ある中、まとめるのであれば真ん中(60%減案)ということになると思うが、引き続き議論を尽くしていきたい」と引き取った。

 一方、米バイデン政権は19日、35年に温室効果ガスを05年比で61~66%削減するという新たな目標を発表した。気候変動対策に力を入れてきたバイデン大統領の任期は来年1月までで、退任直前に目標を公表した。

 ただ、気候変動対策に否定的なトランプ次期大統領の政権がこの目標の達成に向けて努力することはなさそうだ。

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