自分たちが栽培した白菜やニンジンを使った料理を味わう学生たち=2024年11月28日午後0時14分、岐阜市長良、松永佳伸撮影

 食べ残しや野菜くずなどで堆肥(たいひ)をつくり、野菜を育てている東海学院大学(岐阜県各務原市)の学生が、1年間の成果を発表する「収穫祭」を開いた。農作業などを指導したJAや東海農政局の職員らが出席し、温室効果ガス削減に貢献した取り組みに対して農林水産省から贈られる「みえるらべる」の「三つ星」野菜に舌鼓を打った。

 管理栄養学科の学生有志は2017年、持続可能な社会をめざし、堆肥をつくり始めた。翌年からはJAぎふなどの協力を得て、各務原市内の試験圃場(ほじょう)約10アールでニンジンやサツマイモ、トウモロコシなど10種類以上を栽培している。

 猛暑の中でも草取りや害虫駆除をするなど、学生たちが愛情を込めて育てた野菜は、大手スーパー「イオン」の産直コーナーで販売され、人気を集めている。

 昨年は、温室効果ガスの削減効果を「見える化」し、環境にやさしい農作物を評価する農水省の実証実験で4品が「三つ星」に輝いた。

 農水省は今年春から新たに「みえるらべる」の本格運用を開始。東海学院大の学生たちは、食べ残しなどによる堆肥化のほか、電気やガス、農薬、化学肥料の使用を抑えた有機栽培に力を入れた結果、温室効果ガス削減率は95.6%を達成し、「三つ星」を獲得した。

 11月28日にあった収穫祭では、栽培に携わった4年生40人も参加。三つ星と評価された規格外のニンジン、白菜、サツマイモを岐阜グランドホテルの中華料理店に持ち込み、プロの料理人がコース料理に仕上げた。

 管理栄養学科4年の高木優衣さんは「虫が苦手で駆除するのが大変でした。ニンジンの甘さが引き立つ料理など、自分たちが育てたのでよりおいしく感じた」と話した。

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