地球温暖化で世界の平均気温が1度上がると、小麦やコメなど主な食糧の生産量は世界全体で1人1日あたり120キロカロリー分減るとの推計を、米中の研究チームがまとめた。茶わんのご飯0.5杯分にあたる。品種を代えるなどの対策をしても、減収は避けられそうにないという。
論文が19日、英科学誌ネイチャー(https://www.nature.com/articles/s41586-025-09085-w)に発表される。
世界の平均気温は昨年、産業革命前から1.6度上昇した。温室効果ガスの排出削減が進まなければ、今世紀末には約4度上がるとされる。その場合の主な食糧の減収量は、茶わんのご飯2杯分になる計算だ。
チームは、世界で生産される作物のうち、カロリーベースで3分の2を占める作物6種(トウモロコシ、大豆、コメ、小麦、キャッサバ、ソルガム)に着目。54カ国のデータを使い、今後の生産量を予測した。
ほとんどが大幅減収、貧困層には脅威の恐れ
温室効果ガスの排出削減が進まない場合、今世紀末の生産量は、小麦が米中などで3~4割、欧州やアフリカ、南米で2割前後、それぞれ減少。大豆は米国で5割減、トウモロコシは米中などの穀倉地帯で4割減となった。
コメは日本や中国など一部で生産量が増えるとみられるが、ほとんどの地域は落ち込んだ。アフリカや欧州、中央アジアでは減少幅が5割を超えるという。
チームによると、地球温暖化…