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 地球温暖化の原因として「邪魔者」扱いされている二酸化炭素(CO2)。だが、「足りなくて困っている」という声が相次いでいる。一体どういうことなのだろう。

 そのひとつが、生活協同組合ユーコープ(本部・横浜市)だ。7月下旬、市内の宅配センターを訪れると、職員が大粒の汗を流しながら、組合員宅に配達する食品や日用品を次々とトラックに積み込んでいた。

 ユーコープは神奈川、静岡、山梨の3県に180万世帯の組合員がいる。配達先が不在の場合は、発泡スチロールの箱に商品とドライアイスを入れて玄関先に置く。ただ、今夏は商品を断熱シートで囲い、ドライアイスの大きさをこれまでより約2割小さくした。

地域生協ユーコープの宅配センターで組合員向けの商品やドライアイスをトラックに積み込む職員=2025年7月30日午前、横浜市緑区、新田哲史撮影

 実は、ドライアイスが不足気味なのだ。昨年、ドライアイスの供給をメーカーから度々制限された。そのときは、業務用の保冷剤で代替したが、組合員から「冷凍商品が溶けていた」などと苦情が相次いだ。富田淳一・宅配運営課長は「少しでも使用量を減らせれば、万が一の供給制限にも備えられる」と話す。

 とやま生協(本部・富山市)は、昨年12月から宅配時のドライアイス使用を完全にやめた。畑野仁・宅配事業部長は「ここ3~4年は、夏は必要な量の5~6割しか納品されない。それならいったんゼロにしてみよう」と決断の理由を話す。保冷剤を多めに使い、代替できているという。

 アイスクリームを販売するシャトレーゼやサーティワンでは、昨年の一時期、アイスの持ち帰りのためのドライアイスを十分に提供できなかった店があったという。

深刻なCO2不足 「輸入」も増加

 なぜドライアイスが足りない…

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