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 地球温暖化が止まらない。気温が上昇すると、豪雨や、熱波、干ばつ、山火事など異常気象のリスクも上がる。人工衛星を使って宇宙から「監視」する動きが活発になっている。

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1月に米ロサンゼルス周辺で発生した山火事の被害状況を捉えた衛星画像=マクサー・テクノロジーズ提供

 欧州の気象機関「コペルニクス気候変動サービス」によると、2024年の世界平均気温は、人間が大量の化石燃料を燃やし始めた産業革命の前より1.6度高くなった。気候変動対策の「パリ協定」で定めている気温上昇幅を1.5度に抑える目標を単年で超えるのは初めてだ。

 実際に、衛星での観測から地球のさまざまな異常が確認されている。

 今年1月に起きた米ロサンゼルス周辺での大規模な山火事。米マクサー・テクノロジーズ社の衛星がその様子を捉えた。米シンクタンク「世界資源研究所」(WRI)は、大規模な山火事となった一つの要因として、世界的な気温上昇により、高温で乾燥した状態になったためだと説明。温暖化で1度上昇するごとに、山火事のリスクは大幅に増加するとしている。

 米航空宇宙局(NASA)とドイツの研究チームは昨年、衛星「GRACE(グレース)」での観測から、地球の淡水の総量が14年5月に激減して以来、低いままの状態が続いていると発表した。02年以降、衛星で観測された深刻な干ばつ30件のうち13件が15年1月以降に発生したという。地球の陸地が長期的な干ばつに入ったことを示しているといい、チームは、温暖化が淡水の枯渇を引き起こしているのではないかとみている。

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衛星「GRACE」のデータから、2015年以降に淡水量が最小値を記録した年を示した図©NASA Earth Observatory/Wanmei Liang

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