「おんせんどろぼう」のポスターを手にする荒木駿太さん=2025年8月4日午前11時28分、滋賀県草津市草津2丁目、北川学撮影

 天下の名湯・草津温泉が市内にあると間違えられてしまう滋賀県草津市に、新しいキャラクター「おんせんどろぼう」が登場した。〝温泉がない方の草津〟をPRするため、市観光物産協会は着ぐるみを作る。11月8日のイベントでのお披露目をめざす。

 温泉マークの風呂敷を背負い、風呂おけをかぶったキャラクターは、優しくて、ちょっぴり気の弱い泥棒だ。旅人から草津温泉の場所を尋ねられて困惑。「そうだ! ぼくが温泉を泥棒してくればいいんだ!」。琵琶湖を温泉にしようと泥棒行脚に乗り出すが……。将来の絵本化を見据えて設定されたストーリーもある。

 キャラの開発には立命館大学・広告研究会の学生たちも携わった。きっかけは、群馬県の草津温泉のことについて、草津市に問い合わせが寄せられていること。協会によると年間100件以上で、実際に間違って来てしまう人もいるという。

6月には「温泉ないまんじゅう」制作

 間違いを逆手に取って草津市の知名度を上げようと、協会は6月に「温泉ないまんじゅう」を作った。協会のX(旧ツイッター)に投稿したところ、表示された回数を示すインプレッション数が数日間で1300万件を越えた。

 実はおんせんどろぼうも同時期にデビューしたのだが、まんじゅうのインパクトに押されて埋没気味。「でもそれなりに広がってはいます」と協会の広報担当、荒木駿太さん(27)は話す。

 着ぐるみの制作費はクラウドファンディング(CF)で募る。目標金額は180万円。CFサイト「CAMPFIRE」=QRコード=で9月21日まで受け付ける。

 支援者へのお礼としては、クリアファイルや缶バッジなどのおんせんどろぼうグッズ、「着ぐるみがイベントに駆けつける券」などを用意している。

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