福島市の高湯温泉で2月、山中にある源泉の管理に行ったホテル関係者3人が、硫化水素中毒で死亡した。温泉地では「湯守」と呼ばれる人たちが源泉の維持や清掃を担うことで、利用客らが入浴を楽しめる。利用者の安全については基準があるが、温泉を管理する人の安全対策についてルールはなく、関係者らは「命がけの仕事」だと話す。
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亡くなった3人は、支配人と従業員。県警や消防によると、2月18日午前、ホテル近くの源泉に向かう途中にできた雪のくぼ地で、折り重なるように倒れた状態で見つかった。
発見当時、現場では消防隊員の活動基準となる、5ppm以上と高濃度の硫化水素濃度が測定された。3人は、火山ガスから身を守るための空気ボンベや防毒マスクは身につけていなかった。ただホテル側によると、硫化水素の測定器や無線機は持参していたという。
県警は、くぼ地ができた背景など事故原因を調べた上で、業務上過失致死容疑に該当するか慎重に判断する方針。
市「行政の規制なく『自己責任の世界』」
高湯温泉は硫黄濃度が高く…