7月中旬、月(@koyoinotuki_m)さんが乗っていた電車が緊急停止した。
先行していた電車の人身事故の影響で、もう1駅進んだところで回送になるという。
時刻はもうすぐ午後11時。朝から活動していた5歳の息子はぐっすり眠っていた。
「もしかしたら家まで帰れないかも。乗換駅まであと2駅なのに……」
次の駅で乗客は全員降ろされ、ホームには人があふれた。
幸いベンチに座ることはできたが、息子は寝起きで機嫌が悪い。
「電車、なんで来ないの!」
理由を説明しても機嫌は直らなかったため、環境を変えるために駅の救護室を借りた。
幸いにして30~40分ほどで電車が動き始め、乗換駅に到着。
新たに乗り込んだ電車は、ダイヤが乱れた影響で満員だった。
すし詰め状態でドア付近に立っていると、息子が「座りたい」と泣き出した。
足元のスペースを指して「今日は床でもいいよ」と伝えたが、「うんちがあるかもしれないじゃん、イヤだ!」と拒否。
息子は大泣きし、車内の空気がピリピリとしてきたのを感じた。
月さんは、あえて周囲に聞こえるようにこう言った。
「みんな一緒なの! 満員電車だけどみんな我慢して乗ってるの」
息子をなだめつつ、周りに「迷惑をかけてすいません」という気持ちが伝われば、との思いからだった。
すると、近くに立っていた男…