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トークイベントに参加した廬山寺の町田亨宣執事長(中央)と京都古文化保存協会の茂貴広さん(右)ら=大阪市北区
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 京都で27日から始まる「京都非公開文化財特別公開」を前に、今回の特別公開に参加する廬山寺(ろざんじ、京都市上京区)を深掘りするトークイベントが3月下旬、大阪・中之島の朝日新聞大阪本社アサコムホールで開かれた。事前に応募した約70人が参加し、時に笑いも交じる解説に聴き入っていた。

 「つなぐものがたり 紫式部と廬山寺~春の特別公開によせて」と題して、廬山寺執事長の町田亨宣(こうせん)さんと、特別公開を主催する京都古文化保存協会の茂(しげる)貴広さんが出演。朝日新聞文化部の筒井次郎記者が進行役を務めた。

 廬山寺は、門に「源氏物語執筆地」などと記された札を掲げる紫式部ゆかりの寺だ。「(紫式部は)廬山寺で物語を書いたのですか」と問われた町田さんは「当時の寺は別の場所にあり、寺で書いたというと語弊があります。今の境内にあった紫式部の邸宅で書かれました」と答えた。

 邸宅跡とわかったのは1965年のこと。室町時代の源氏物語の注釈書「河海抄(かかいしょう)」の記述などを根拠に、古代史の学者・角田文衛氏が突き止めたと説明した。

 紫式部が主人公のNHK大河ドラマ「光る君へ」にも触れた。源氏物語の一場面を描いた絵画(特別公開で披露)に、鳥かごから鳥が逃げた場面があることを紹介し、「鳥かごはドラマの重要な場面で描かれました。源氏物語をオマージュしています」と話した。

 さらに寺を開いた元三大師(がんざんだいし、良源)の逸話や寺に伝わる戦国武将・明智光秀の念持仏(ねんじぶつ)のいわれなどを解説。熱心にメモをとる参加者もいた。

 茂さんは、特別公開の目的について語った。文化財への愛着を育む一方、拝観料を老朽化した建物や仏像などの維持・管理に充てるという。今回、初参加する常照寺は6年前の台風の被害を受けた。「文化財を守るために一番大事なことは、知ってもらうこと。特別公開で興味を持ってもらい、守る思いを広げたい」と話した。

 特別公開には、知恩院や松尾大社など京都市内の寺社を中心に15カ所が参加する。5月12日まで(期間は一部異なる)。朝日新聞社が特別協力する。

 トークイベントは、5月12日までオンライン配信で視聴できる。申し込みは朝日新聞サイトの募集ページ(https://que.digital.asahi.com/question/11013512別ウインドウで開きます)、またはQRコードから。

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