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大勢の観客でにぎわう阪神甲子園球場のスタンド=2024年8月11日午後2時19分、兵庫県西宮市、朝日新聞社ヘリから、伊藤進之介撮影

 第106回全国高校野球選手権大会は、2回目の休養日となった20日、準決勝に勝ち上がった4校が兵庫県内などで練習を行った。21日の準決勝は、第1試合で2年連続4強の神村学園(鹿児島)が9年ぶりの準決勝に臨む関東第一(東東京)と、第2試合は3年ぶり準決勝進出の京都国際が初の4強に入った青森山田と対戦する。4校とも初の決勝進出がかかる。22日は休養日で、決勝は23日の予定。

「決勝のつもりで」 神村学園

 神村学園は小田大介監督が打撃投手をつとめ、マウンドから選手たちの調子を確かめた。復調のきざしを見せる4番正林輝大に対しては「抑えにいったんですけど、打たれちゃいました」。チームは4試合で計43安打と強打が目立つが、主将の川下晃汰は「ここから守備が大事になってくる」と気を引き締める。「あと2試合、決勝のつもりで戦いたい」

 小田大介監督(神) 「警戒するのは1、2、3番の足の速い選手たち。4番の高橋君の前に走者を出さないようにしたい。うちは正林に期待したい」

勝てば学校最高成績 関東第一

 準々決勝で決勝ソロを放った関東第一の高橋徹平は「いい本塁打だったけど、その意識は消して、しっかり低い打球を意識したい」。この日は雨の影響で、室内練習場で打撃練習を中心に体を動かした。しっかり芯でとらえることを意識してスイングしたという。準決勝に勝てば学校最高成績になる。「しっかりロースコアで運べば負けることはない」

 米沢貴光監督(関) 「相手は逆転で勝ってきていて、走塁も積極的な『攻撃のチーム』。うちはうちらしく、守備を中心にぶつかっていきたい」

対戦決まり「よっしゃ!」 京都国際

 京都国際は、青森山田の関浩一郎ら、投手陣の映像を確認し、約1時間打撃練習した。準々決勝後に、春の選抜でサヨナラ負けを喫した相手との対戦が決まると、選手からは「よっしゃ!」と歓声が上がったという。主将の藤本陽毅は「(青森山田と対戦するくじを)引きたかったのでうれしい」とにやり。「春から成長した姿を見せつけてやり返したい」と意気込んだ。

 小牧憲継監督(京) 「選抜で青森山田に敗れて個の能力に差があると感じ、犠打や進塁打で束になって戦う力を磨いてきた。その集大成。全力でぶつかる」

「低く強い打球」を再確認 青森山田

 「これまでやってきたことが出る試合になる」。青森山田の主将、橋場公祐は言う。青森県内のライバル校には左の好投手が多く、1年間対策を重ねてきた。京都国際の中崎琉生と西村一毅の両左腕に対しても自信を持って臨め、この日の打撃練習は「低く強い打球」の意識を再確認した。準々決勝は4安打1点に封じられ、兜森崇朗監督が「大反省」と評した打線が目覚めるか。

 兜森崇朗監督(青) 「相手は好投手。大量点は見込めないと思うので、少ない好機をものにしていく。4番原田ら中軸に、どのようにつなぐか」

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