北朝鮮に拉致された横田めぐみさんの父・滋さんが亡くなってから5日で5年を迎えるのを前に、母の早紀江さん(89)が3日、報道各社の取材に応じた。政府や歴代首相に救出を訴え続けても帰国がかなわないことに、「こんなに長いこと『助けてください』と言わないと助けてもらえないのか」と怒りをにじませ、問題解決を訴えた。
滋さんは、1997年に結成した拉致被害者家族会の初代代表。全国で計約1400回講演をし、救出を訴えてきた。
早紀江さんは、滋さんの遺影に毎日「いつまで経ってもダメなんだよ、お父さん。(めぐみさんの状況が)全然分からないんだよ」と語りかけているという。
日朝交渉の話題が浮上しても結果に結びつかない状況に「いつも肩透かしのようだ」と表現。日本政府に対し「自分のお子さんがこうなったらどうするか、と思って本当に真剣にやってほしい」と語り、「(北朝鮮と日本の)トップの人間同士が目を見て話し合ってほしい」と話した。