湖国の風土を詰め込んだビールの魅力を発信しようと、滋賀県内のクラフトビール醸造に携わる12社が参加する「滋賀クラフトビールアソシエーション(SCBA)」が4月9日に発足する。地元で栽培したホップや豊かな水源を生かした味わいが強みだという。18日には京都市内で設立記念イベントを開催する。
クラフトビールは、小規模な醸造所でつくられて個性豊かな点が特徴だ。ただ、規模が小さいゆえに一定の品質を保つことに難しさもある。国内にはビール醸造を専門的に学ぶ機関がなく、県内の醸造所で働く人も海外の学校で学んでいたり独学だったり、知識に隔たりがあるという。
新たにつくる団体では、参加する醸造所が連携して研修会を開く。技術やレシピを共有して、滋賀のクラフトビール醸造全体のレベル底上げをめざす。
SCBAによると、団体の設立は関西では大阪に次いで2例目という。12社には、ヒノブルーイング(日野町)や長濱浪漫ビール(長浜市)のほか、大手のキリンビール(多賀町)も参加する。
18日にはJR京都駅前の地下街にある「クラフトビアマーケット京都ポルタ店」で設立記念イベントを開く。「ラビットハッチ」(近江八幡市)の醸造責任者でSCBA会長のショーン・コレットさんは「本当は滋賀で開きたかったが、まだまだ県内にはクラフトビールを取り扱える大規模なお店が少ない。団体設立をきっかけに、県内のクラフトビールの認知度も高めていきたい」と意気込む。18日は午後3時からSCBAの醸造家も参加する予定。