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滋賀県

 不登校の実態を把握しようと、滋賀県が今年度から市町を通じてフリースクールなど民間施設を利用する家庭にアンケートをする事業に大津市が参加しないことがわかった。市町に事務負担が生じる仕組みに対して異論をとなえ、不参加を決めたという。

 県の事業は、不登校の子どもがいる家庭に市町を通じてアンケートをして、家庭には調査協力費として月5千円を支払う取り組みだ。フリースクールなど民間施設に通う県内全域の小中学生約250人を対象として想定。利用頻度や費用などを尋ねて、フリースクールなどの学校内外の支援機関とつながっていない小中学生への支援などに生かしていくという。

 ただ、大津市は事業に参加しない方針を決めた。市の担当者は「市町に事務負担や人件費などの負担が生じる仕組みに疑問があり、現状のままでは参加予定はない。調査協力費も県が直接支払う制度にすべきだ」と話す。大津市として適応指導教室などの不登校支援の充実を図っているという。

 県子どもの育ち学び支援課の担当者は「不登校支援につなげていくためには、家庭に近い市町に協力いただく必要がある。不登校の実態把握のためにも、全県で実施出来るように引き続きお願いしていきたい」と話す。

 同課によると、県内の10市町で今年度までにフリースクールの利用者に授業料などの補助制度を設けるが、大津市では設けていない。県内のフリースクールや親の会などでつくる県フリースクール等連絡協議会の池田勝会長は「住む市町によって家庭に不公平感が生じている状況を改善する一歩となる県の事業に参加されないのは残念だ」と話している。(林利香)

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