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神社の境内でおにぎりなどを食べながら話す大潮まつりの参加者ら=2024年11月5日午前11時37分、高知県黒潮町田野浦、原篤司撮影
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 近い将来起きるとされる南海トラフ巨大地震への備えが進む中、過去の自然災害やその教訓を伝承する重要性が注目されている。最大で高さ34メートルの津波が想定されている高知県黒潮町では、90年近く前に途絶えたとされる、江戸時代の巨大地震を語り継ぐ行事が再現された。

 「津波防災の日」の5日、土佐湾に面した集落にある黒潮町田野浦の白皇(しらおう)神社に、地元のお年寄りら約30人が集まった。

 ブルーシートの上に座り、炊き込みご飯のおにぎりやぼた餅を味わいながら催されたのは「大潮まつり」。170年前の1854(嘉永7)年に起きた安政南海地震の体験などを語り継ぐ「おこもり」とも呼ばれた行事で、昭和初期に途絶えたとされていた。

むしろの上でご飯 90代述懐

 マイクを向けられた女性(91)は、遠い日の記憶をたどりながら「おばあちゃんに『おこもりに行くよ』と言われてここに来て、むしろの上でご飯を食べた」と話した。

 母と一緒に来て赤飯を食べたと話す90代の女性もいた。

 安政南海地震は南海トラフ巨…

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